インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

2019年に観たインド映画の振り返り

2020年です。あけましておめでとうございます。
今年も引き続き、楽しく元気に映画を楽しんでいきたいと思います。 よろしくお願いします。

目次

I. 良かったと思う作品
-- テルグ作品
-- ヒンディー作品
-- タミル作品
-- カンナダ・マラヤーラム作品
II. 個人的に凄く良かった15選
III. 相当癖になった5作品
IV. 集計結果
V. まとめ

I. 良かったと思う作品

My100のフォーマットでまとめた一覧 の中で◎印をつけたもの(後述の「個人的に凄く良かった15選・相当癖になった5作品」は除く)。
↑記載漏れがそこそこあった。今年度末はもう少し細かく色分け&字をきれいに書きたい…。

テルグ映画

  • Legend (2014) ←前年度のおかわり
  • NTR: Kathanayakudu (2019)
  • Oopiri (2016)
  • Fun and Frustration (2019)
  • Nannaku Prematho (2016) ←前年度のおかわり
  • Rowdy (2014)
  • Gopala Gopala (2015、テルグ語)
  • Aravinda Sametha Veera Ragava (2018) ←前年度のおかわり
  • Race Gurram (2014)
  • Sindooram (1997)
  • Nenu Nene Ramune (2018)
  • NTR: Mahanayakudu (2019)
  • Bhaagamatie (2018)
  • Hithudu (2015)
  • Hello Brother (1994)
  • Jersey (2019)
  • Devadas (2018) ←前年度のおかわり
  • Sri Manjunatha (2001)
  • Ammoru (1995)
  • Sye Raa Narasimha Reddy (2019)
  • Brochevarevarura (2019)
  • Bhookailas (1958)
  • Sankarabharanam (1980)
  • Simhasanam (1986)
  • Daana Veera Soora Karna (1976)
  • Sri Krishna Maya (1958)
  • Vipranarayana (1954)
  • Lava Kusa (1963)
  • Pandavulu Pandavulu Tummeda (2013)
  • Manmadhudu 2 (2019)
  • Jai Lava Kusa (2017)

ヒンディー作品

  • Anand (1971)
  • Kalyug (1981)
  • Company (2002)
  • Naach (2004)
  • Sarkar (2005)
  • Mangal Pandey: The Rising (2005)
  • Black (2005)
  • Rab Ne Bana Di Jodi (2008) ←前年度のおかわり
  • Rakta Charitra 1・2 (2010)
  • Rann (2010)
  • Guzaarish (2010)
  • Agneepath (2012)
  • Haider (2014)
  • A Flyying Jyatt (2016)

タミル作品

  • Gentleman (1993)
  • Iruvar (1997)
  • Mersal (2017)
  • Spyder (2017)
  • Vikram Vedha (2017)
  • Viswasam (2019)
  • Petta (2019)

カンナダ・マラヤーラム作品

II. 個人的に凄く良かった15選

公開年度順に整理。というか、どれもよくて順位がつけられない…!

III. 相当癖になった5作品

あまりにも好きすぎて連続でお代わりしたものも。

IV. 集計結果

言語 本数
Telugu 128
Hindi 42
Tamil 25
Kannada 9
Malayalam 3

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V. まとめ

好きな俳優や監督の作品もたくさん見たが、初めはコンテクスト収集のために観ていた神話・デヴォーショナル映画にも気づいたらハマっていた 。
フォロワー様方におすすめいただいた作品もみんな良かった。
自分も、好きだと思ったものは自信をもって「好きだ!」と口にしていけたらと思う。
2020年は他語圏の作品も積極的に見ていきたい。

Bhakta Prahlada (1967)

言語: テルグ語
監督: Chitrapu Narayana Rao
脚本: D. V. Narasa Raju
時間: 150 分
出演: S. V. Ranga Rao, Anjali Devi, Roja Ramani

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メモ

▼ 手段
​配信(英字幕付き)
▼ 動機
- 主演がお気に入りのSVRさん
- 王子役の子役が本当にかわいい
- ​カンナダ版がとても良くて、折角なので字幕付きのテルグ版も観ておきたかった

概要

ヴィシュヌ神の化身・ヴァラーハに兄弟を成敗されたアスラの王・ヒラニヤカシプ(S・V・ランガーラーオ)は厳しい修行の末、ブラフマー神から無敵の力を授かり、その力で天界を制す。

しかし、​息子のプラフラーダ王子(ロージャー・ラマニ)は仇敵であるヴィシュヌ神を厚く信仰していた。
どんなに厳しく叱ってもヴィシュヌ信仰をやめようとしない息子に業を煮やした王は、王妃(アンジャリー・デーヴィ)の訴えも振り切り、家来に暗殺を命じてしまう。 しかし、どんな手段を講じても、ヴィシュヌの加護で必ず生還するプラフラーダを見て、王は遂に自らの手で殺害することを決意。

ヴィシュヌ神を受け入れるよう、健気に説得を続けるプラフラーダ。
「神は汎ゆる場所に居る」と訴える息子に更に激怒した王が「この柱の中にも神はいるのか?」と問い詰めたその時、柱の中からナラシンハ神(ライオンの頭を持つヴィシュヌ神の化身)が現れる。

感想

2020年の1本目。

​昨年に見たラージクマールさんちのカンナダ版も大好きだが、こちらのテルグ版も名作と名高い。結論から言うと、素晴らしいの一言に尽きる。

息子の暗殺を命じたことにより塞ぎ込んでしまうヒラニヤカシプ王が、飲み物の中に息子の笑顔を思い浮かべてしまう場面を筆頭に、随所に織り込まれるちょっとしたカットが物語を動かす力を持っていた。演出も非常に面白い。

ラニヤカシプ王は我が子を手にかけるという重大な過ちを犯しているが、1番の過ちはそのエゴの強さではなかろうか。

プラフラーダ王子には「信仰するならヴィシュヌ神ではなく、シヴァ神にしなさい」と言いつけていたが、本心は「ヴィシュヌではなく、自分をを選べ」ではないだろうか(民には王自身の像を作って祀らせていた)。

プライドを引っ込めて過ちを認めることは、誰にとっても本当に難しい…しかし、彼のようにそのチャンスを逃し続ければ、破滅(=エゴの死)が待っているのがさだめ。

なまじ「努力して無敵の力を得た」という成功体験がある分、自分の考えに異を唱える息子を素直に受け入れるわけにはいかなかったのだろう 1

「そうか、お前はそういう考えを持ってるんだな」と言えるような父親であれば、結末は違ったかもしれない…。

題名には息子であるプラフラーダの名が使われているものの、物語の中心にはこの愛すべき哀れな父親がいる。

我が子を愛したいのに思い通りに行かず、苦悩する父王を演じるSVRさんの表情に注目。
息子への落胆、焦り、怒り、そして愛情…。葛藤の中を一瞬で駆け抜ける彼の演技から目が離せない。

ヴィランとして語られることが多いと思われる強大な王に、不思議なシンパシーと親近感を覚えた。

(鑑賞日: 2020.1.1)

関連ツイート


  1. 社会的に成功した人(自分の努力だけで成功できたと思っている手合い)を親に持つ人が苦労するケースは現代にも見受けられる。様々な観点から普遍的な何かを感じさせられる作品だった。

2019年12月鑑賞作品

2019年が始まったと思ったらもう終わってしまった。 よかった作品には をつけた。

前の年に観た Yamadonga (2007、テルグ)と Rab Ne Bana Di Jodi(2008、ヒンディー)は再び見てみると、違った観方ができたりして以前とは別の感動があった。 ​

テルグ作品

  • Yamagola 1977:NTR主演の「人間 vs 冥府の神・ヤマ」を描いた映画。殺されてあの世へ送られてしまった主人公が、その知恵やカリスマ性でヤマを出し抜く大筋は後述のYamadongaにも引き継がれている。挿入歌「Oh Lammi Tikkaregindaa」もYamadongaでパロディー化をされていた。愛を感じる。
  • Yamadonga 2007 (おかわり) :ラージャマウリ監督による人間VSヤマ映画。初見時も既に面白かったが、主演のjr.NTRの祖父であるNTRの作品や、インド神話を描いた作品を観た後で再訪問したら面白さが倍増しになっていた。時々こんな風におかわりしたい。
  • Vikramarkudu 2006:ラヴィ・テジャ主演、ラージャマウリ監督作品。警官VSファクショニスト映画。ラヴィテジャさんのトリックスター属性のキャラクターが活きた作品だった。しばらくの間「ジンダッタ」ソングの脳内リピートが止まらなくて大変だった。
  • Narasimha Naidu 2001:ナンダムーリ・バーラクリシュナ主演。幼いわが子を連れて熾烈な抗争を逃れ、古典舞踊の教師として生計を立てていた男がその過去と再び向き合う物語。ハイライトは何といってもバラクリさんのスリルあふれるダンスシーン…!アホな言動で主人公を窮地に追い込むヒロインの存在を完全スルーできれば良い映画。
  • Chintamani 1956 :デヴォーショナル映画。信仰の厚い高級娼婦をバーヌマティ、妻を持つ身でありながら彼女の魅力に捕らわれてしまう男性をNTR様が演じる。「〇〇のルールに反する」といった表面的な所で語られる"罪"ではなく、人間のウェルネスを根源から揺るがす罪がどんなものかを描いている。取り返しのつかない過ちを犯したとしても、救われる道があることも。
  • A Shyam Gopal Varma Film 2015 :気がつけば殺風景な一室で鎖に繋がれ拉致監禁されていた映画監督、その名もシャーム・ゴーパル・ヴァルマ…フロップ作品に腹を立てたファンの仕業か?駄作で金を失ったプロデューサーの仕業か?主人公は明らかに某監督をモデルにしているし、劇中も随所にネタが仕込まれており、楽しく見られた。いいエンディングだった。
  • Vipranarayana 1954 :ANR、バーヌマティ共演のデヴォーショナル映画。ヴィシュヌ神に帰依する青年を誘惑しようと目論んだ踊り子が、真の愛に目覚めるという素敵なお話だった。ロマンス映画はANR様の得意分野と思われる。何も知らない青年が女性の手に落ちていく様子は言葉では表せない…何かグッとくるものを感じた。
  • Yamudiki Mogudu: Ee Nela Thakkuvodu 2015:アッラリ・ナレーシュ主演。 天界でのミスが発端のドタバタ神話喜劇。人間vsヤマ様もの。今回も出し抜かれてしまうヤマ様はトホホな目にあっていた。奥方役のラムヤさんがかわいらしくて◎。
  • Sandade Sandadi ジャガパティさんとラジェンドラ・プラサドさん共演のコメディ。お見合い結婚に反対し恋愛婚がいいと反発する娘達に失恋を味わわせようと、富豪が3人のダメ男(妻帯者)を雇う話。調子に乗って本格的な浮気に乗り出した夫達は当然痛い目に…浮気は駄目だぜ!
  • Shanti Sandesham 2002:クリシュナさんが主演のキリスト受難劇。あっさりめのパッションだった。所々インド感はあったが、乾燥した気候のせいか下手なロケ地よりもイスラエルらしさがあった。
  • Brochevarevarura 2019 :ベストムービーオブザイヤーテルグ語部門にランクインしていた映画。ストーリーと構成で魅せる作品なので、下手にしゃべると全部ネタバレになる系の面白さ。ラフル君GJ!
  • Pandurangadu 2008 :ナンダムーリ・バーラクリシュナ主演、K ラーガヴェーンドラ・ラーオ監督。女遊びが酷く、不純な理由からクリシュナ神をフォローしていた男が、真の信仰心に目覚める過程を描いた作品。タッブーさんの悪女ぶりも素晴らしかった。後述の『Randuranga Mahatyam』と元ネタは同じだと思われるが、娯楽性も盛り込んだおいしいアレンジになっていた。音楽はおなじみのMMキーラヴァーニ先生。
  • Panduranga Mahatyam 1957:Pandurangaduが夫婦愛に焦点を当てていたのに対し、こちらは親孝行の重要性にフォーカスした作りになっていた。放蕩三昧の息子が更生するという大筋は一緒。Pandurangaとは少年の姿で顕現したクリシュナ/ヴィシュヌ神を指す。調べてみたら興味深い逸話が多い
  • Jai Lava Kusa 2017 :jr. NTRが1人三役を演じる、兄弟愛を描いたアクション映画。ラーマヤナ(ラヴァとクシャはラーマの息子たちの名前)を物語の素材として使っているのが興味深く、3人の演じ分けも印象に残る快作だった。
  • Uu Kodathara? Ulikki Padathara? 2012:マノージ・マンチュ、バラクリさん共演作。年の最後に自分はいったい何を見てしまったのか案件。ストーリーはとても良かったし、何かが決定的にアレだった。何だろう。バラクリさんを主演ではなく、物語の1要素として登場させるパターンは新鮮だった。作画(?)が非常に良かった。ソーヌーさんかっこいい。 ​

    ヒンディー作品

  • Rab Ne Bana Di Jodi 2008 (おかわり) :家族と一緒に鑑賞したところ、好評った。主人公の静かでひたむきな愛情が光る作品。折に触れて見返したい作品。 ​

    タミル作品

  • Bommalattam 2008 :手汗握るサスペンス映画。アルジュン・サルジャが演じる刑事が、天才肌のエキセントリックな映画監督(ナーナ・パテカール)を連続殺人容疑で追う。パテカール氏の底知れない何かを感じさせる気迫がすごい。
  • Iruvar 1997 :モーハンラル、プラカーシュ・ラージ共演の政治ドラマ映画(実在の人物に基づく)。売れない俳優と詩人脚本家の二人が友情を結び、互いの政界入りを境に溝を深めていく経過を緻密かつ情感深く描いた力作。新人とは思えない当時のアイシュワリヤー・ラーイにも注目。
  • Random Numbers 2017:一部でカルト的な支持を集めるショートフィルム。面白い。これからの映画の在り方について考えさせられる。ワンちゃん好きさん注意。
  • Mudhalvan 1999:アルジュン・サルジャ主演。娯楽性を贅沢に織り込みながらも「政治は誰の為にあるのか」について考えさせられる、政治腐敗 vs ジャーナリズム大作。アクションはさすがアルジュンさん!だった。彼の前に立ちはだかる悪徳政治家を演じたラグヴァランさんの演技も印象に残る。
  • Bigil 2019 :今年公開のタミル映画ではトップに入る好きな作品。元サッカー選手のギャングのボスが、女子サッカーチームのコーチとして再出発する物語だが、チームメンバーのサクセス・ストーリーとしても観られる作りだった。BigilいいよBigil。 ​

    カンナダ作品

  • Bhakta Prahlada 1983 :ラージクマール親子共演のカンナダ映画。ヴィシュヌ神を敵対視するアスラの王・ヒラニヤカシプと、ヴィシュヌ神を信仰する息子プラフラーダのお話です。クライマックスでは、プラフラーダを助けに獅子頭神ナラシンハ(ヴィシュヌの化身の一つ。)が柱をブチ割って出てくる。テルグ版Bhakta Prahladaには字幕がついていたので、そちらを先に見ればよかった。
  • Kurukshetra 2019 マハーバーラタの最終決戦を、ヒールであるドゥリヨーダナ側から描いた大作。ダルシャンSirのガッシリした体躯と豪快な笑い声がイメージ通りだった。カルナ役のアルジュン・サルジャに落ちる方が多数観測された。やった!3Dでみたいよ~!

【Youtube】字幕付き動画の探し方

スクリーンショットAndroidだが、PCでも同様の操作が可能 (2019年12月時点)。

手順

  1. 検索したいワードで一度検索する

  2. 画面右上のフィルター検索ボタンを選択する
    f:id:hyperusagi:20191211095606j:plain

  3. [字幕] を選択後、[適用] を選択する
    f:id:hyperusagi:20191211095701j:plain

▼検索結果。カラー版Mayabazarのタミル語吹替って字幕がついてたのか… f:id:hyperusagi:20191211095719j:plain

フィルタをかけても検索結果に上がってこない字幕付き動画について

字幕がCC (クローズドキャプション)機能を使わずに、動画に直接埋め込まれている場合はフィルターに引っかからないため、別途「<任意のキーワード> with English subs」等で検索する

CC字幕 ←フィルターに引っかかる f:id:hyperusagi:20191211100416j:plain (『Sri Krishnarjuna』Mango Indian Filmsより)

埋め込み字幕 ←フィルターに引っかからない
f:id:hyperusagi:20191211100426j:plain (『Chintamani』Aditya Filmsより)

非公式アップロードにご注意

公式アカウントによる配信か否かは、投稿者のプロフィールや画像、他の投稿内容等で判断する必要あり

2019年10月・11月鑑賞作品

先月サボってしまったのでまとめて記載します。今月は神話ものが多い。
実は陰でFate: Stay Night、Fate: Apocriphaのアニメシリーズを完走したりしてたりする。

非常に面白かった:
- Sri Anjaneyam (2004)←めちゃくちゃ面白かった
- Ori Devudoy (2015)
- Narada Vijaya (1980)
- Super Deluxe (2019)

忘れられない:
- Sye Raa Narasimha Reddy (2019)
- Laksmi's NTR (2019)
- Lava Kusa (1963)
- Black (2005)

以下、鑑賞作品のタイトル&メモ。

テルグ作品

10月

  • Naa Peru Surya, Naa Illu India (2018) : アッル・アルジュンの愛国ものの映画。アルジュン・サルジャさんが心理学者役として、キレやすい主人公のカウンセリングに当たっている。
  • Ravoyi Chandamama (1999) : ナグ様主演。ヒーローとヒロインが互いに婚約者がいる状況で惹かれあってしまう。ヒロインの婚約者役でジャガパティさんが少しだけ出てくる。
  • Thulasi (2007) : ヴェンカテーッシュさん主演のロマンス映画。「ボヤパティ監督はまじめなロマンスも撮るんじゃないか…」と前半で思っていたら、後半が物凄く自由な感じで、いつものボヤ監督のテンションだった。本筋自体はタミル映画『Viswasam』(2019) を思い出させる流れ。
  • Naani (2004) : SJ スーリヤ主演・監督のタミル作品『New』(2004) のほぼ忠実なテルグ語リメイク。主演はマヘーシュ・バブ。8歳児の少年が科学の力で大人になり、ヒロインと結ばれるが…というストーリーをマヘーシュ王子が演じるのを見るのは、だいぶシュールだった。
  • Ammoru (1995) : 信心深い女性を呪術師の呪いが襲い、彼女を救うべく女神が降臨する。主演のサウンダリヤさんが大変な目にあう映画。演出に創意工夫が見られて、感動した。当時のネオ・ノワール映画調のカメラワークが凄く好み。ラムヤ・クリシュナンが演じる女神は最強なのに、普段はかわいらしい女の子の姿なのがよき。

11月

  • Mayabazar タミルキャスト版 (1957) : 同年公開テルグ映画のタミル版。アビマニュ役がANR様からジェミニガネーシャンにチェンジしただけで、メインキャストはほぼ一緒。名作はモノクロでもカラーでも、テルグ語でもタミル語でも素晴らしいが、どうしてもGGがサーヴィトリを口説いているように見えてしまった。
  • Lava Kusa (1963) : ラーマーヤナ最終巻ウッタラ・カーンダ (ラーマの戴冠式~エンディング) を描いた NTR主演作品。衣装とセットが華やかで見ごたえ抜群だったが、悲しみに暮れるラーマの姿が痛々しかった。『Sri Rama Rajyam』(2012)は、NTRの息子であるナンダムリ・バラクリシュナによるリメイク。
  • Ramayanam (1996) : 子供だけのキャストで製作したラーマーヤナ物語。主役は当時13歳頃のjr. NTR。学芸会のようなものを想像していたが、しっかり映画として楽しめるクオリティーだった。先輩の表情がとても大人びている。
  • Kurukshetram (1977) : クリシュナさん主演のアルジュナが主人公のマハーバーラタ映画。豪華なセットで迫力満点だったが、途中で予算が枯渇し、クリシュナさんがプロデュースに入ったらしい。モハンバーブさんがいた。マハーバーラタを英雄カルナの視点から描いたNTR主演作品『Daana Veera Soora Karna』も同年に公開されている。
  • Geetha Govindam (2018) : スッバラージュ二度目の来日イベントで上映した作品。ヴィジャイ・デーヴァラコンダ主演。性格はいいのに色々残念な青年が、意中の相手に悪印象を与えてしまい、ゼロどころかマイナスからスタートするロマンス。ヒロインの兄役のスッブがチャーミング。
  • Gayatri (2018) : モハンバーブさんが一人二役の案件。元舞台俳優の主人公はある事情からクライアントの影武者を務めるようになる。二人目のモハンバーブさんが事案
  • Saaho (2019) : プラバース対応の新作。「結末が二転三転する」という前評判を聞いていたが、全体を通して5,6転したような気がする。あと5回ぐらい見ないと多分理解できないので、来年の本邦公開が楽しみ。
  • Sri Anjaneyam (2004) : 二ティン、アルジュン・サルジャ、チャーミー共演作。ハヌマーン神をフィーチャリングしたデヴォーショナル映画…と思ったら所々でガチのアクションが入る。あまりにも面白かったので、見た後すぐにヒンディー語吹き替え版(字幕付き)も見てしまった。やはりサrが暴れていた。こんな面白いもの誰が作ったんだ!と思ってみたらクリシュナ・ヴァムシ監督だった。多分気が済むまであと何回か観る。
  • Sye Raa Narasimha Reddy (2019) : インド大反乱より10年ほど前に、ラーヤラシーマ地方を治めていたウイヤーラヴァ(ワ)ーダ・ナラシンハ・レッディによる反乱を描いた、チランジーヴィ主演の待望の新作。実力派俳優が勢ぞろいで非常に見ごたえがあったが、凄惨な描写もあったため元気な時に見る必要があった。ジャガパティさんが演じた小国の長ヴィーラ・レッディは今年演じられた役の中で一番好きである。
  • Sri Krishna Maya (1958) : ANR様がナーラダ仙として様々な試練にあう神話映画。ジャムナさん共演。後述のカンナダ作品『Narada Vijaya』を観た後、ナーラダ仙に関心を持ったきっかけでフォロワー様におすすめいただいた。快活で、少しいたずらっぽい雰囲気のあるANR様には当たり役のように思う(失念してしまったが、ナーラダ仙役で出ている作品が他にもあった)。
  • Mahanati (2018): おかわり。モハンバーブさんあんなに可愛かったっけ…?

  • Laksmi's NTR (2019) : 少し不完全燃焼ぎみに完結した『N.T.R: Mahanayakudu』鑑賞後からずっと観たいと思っていた作品が配信されたと聞いて、すぐに再生。俳優・政治家として今もその功績を讃えられるNTRの、失意の最期が描かれおり、心にズシンと重いものを残す作品だった。娘婿である前州首相の人物描写に関しては、RGV監督自身のフィルターも入っているように感じられたが、NTR夫妻が互いに向ける愛情の深さを示すような場面には説得力があった。ところでRGV監督は映画界・政財界関係者のそっくりさんを一体どこから引っ張ってくるんだ。模ハンバーブさん、偽クリさんGJ。

  • Ori Devudoy (2015) : 知名度が低い、誤解されている、祭りの祝い方を変えてほしい、人気者になりたい…様々な悩みを持つ神々が現代のPRコンサルタントの元に押しかけ、迷惑なのかありがたいのか分からない交流をするコメディー。今まで観た映画の中でおそらく最多の神々が出現した。ものすごく雑な話のまとまり方だったけれど、こういうのは嫌いではない。神話・映画の小ネタがたくさん挟まれていて楽しい。

    ヒンディー作品

    10月

  • Rangeela (1995) : ウルミラ・マトンドカール、アーミル・カーン、ジャッキー・シュロフ共演作。RGV監督作品。女優として大ブレイクしたヒロイン、幼馴染の青年、人気俳優の三角関係を描く。ジャッキーシュロフの大人の余裕がよかった。
  • Black (2005) : ヘレンケラーの生涯から着想を得た、バンサーリー監督作品。目も耳も不自由なヒロインが生きる世界を表す、黒という色彩の使い方が印象に残る。バッチャン様は型破りな家庭教師役だが、ああいうちょっとクレイジーぎみな役を演じているときの彼がとても好き。
  • Sholay (1975) : 村に恐怖の影を落とす盗賊団を退治するべく、二人のならず者が雇われるという、西部劇を彷彿とさせるストーリーと風景の映画。若いころのバッチャン様めちゃくちゃカッコよかった…『Anand』の時の知的で誠実な雰囲気も素敵だが、本作のようにワイルドでクールな役もとても良い。
  • Mahabharata (2013) : マハーバーラタのフルCGアニメ。子供向けの作品かと思いきやしっかり纏まっており、分かりやすかった(最終決戦にさほど影響のないサイドストーリーをかなり省いたというのもある)。キャストがやたら豪華で、キャラクターの顔立ちも「中の人」に寄せていたのが面白かった。
  • Ramayana (1992) : ラーマーヤナのアニメ。主にラーマとシータとの出会い~ランカー島での戦いとシータの救出が描かれていた。本作では描かれない最終巻のことを思うと大変にエモい。

    11月

  • Kalyug (1981) : マハーバーラタを現代風にアレンジした作品。後述の『Narada Vijaya』で主演だったアナント・ナーグさん目当てで見たが、アルジュナポジションで大変においしゅうございました。当時のポスターなどを画像検索すると大々的にポスターになっているレーカさんはドラウパディのポジション。尚、主人公役はカルナポジションのシャーシー・カプールさん(美青年の部類に入るであろうルックス)。紳士的で上品そうなカルナと、有能だが熱しやすいなアルジュナのキャラクターの対比が面白かった。

タミル作品

10 月

  • Super Deluxe (2019) : 奇想天外なサブプロットが色々とアソート的に詰まってるのかと思いきや、ピタゴラスイッチ的にカチッとハマるこういう群像劇は見ていて気持ちがいい…哲学的なテーマも扱っており、これはハマる映画だった。ヴィジャイ・セードゥパティが美人だった。

カンナダ

10月

  • Navashakthi Vaibhava (2018) : 財産目当ての親戚たちに、子供達の命を狙われながら聖地を巡礼する夫婦が主人公。たくさんの親切な女神様に助けてもらえて良かった。物凄く沢山出てきた。

    11月

  • Jaguar (2016) : ジャガパティさんが出ているので観たアクションヒーロー映画。ヒーローというよりも単純に覆面していただけかもしれない。カンナダ映画だけれども出演者の多くがテルグ俳優(いつもにぎやかにしてるおじちゃんたち)なので、微妙に混乱した。クライマックスに残りの予算全部注ぎ込んだ感があった。ジャガパティさんの出番は思ったより控えめだったが、SNS中毒?の捜査官という妙に印象に残る役だった。主演俳優のお兄さんは政治家一家出身らしい。
  • Narada Vijaya (1980) : 写したものをフリーズさせてしまうカメラを発明した、信心深い科学者が誘拐される。彼を救うべく、天界からナーラダ仙が遣わされる。彼は降り立った空港で、自分と顔がそっくりの警察官・ヴィジャイと間違えられてしまい、混乱が起きる。主演のアナント・ナーグさんは一人二役。おちゃめなナーラダ仙、真面目なハンサムのヴィジャイで美味しさ二倍だった。謎のSF要素もツボにはまり、とても楽しく見られた。
  • Gajakesari (2014) : Yash君主演。プラバカールさんがモブ役で出ているというので、去年からリストに入れていたが、アナントナーグさんが出ていると聞き、観ることにした。「寺院を継ぐか、森からゾウを捕まえて奉納しなさい」と言われた主人公が前世(最強の戦士)で友達だったゾウと再会し、リゾート開発で平和な森を壊そうとする悪者をやっつける話だった。これだけ書くとゾウと人間のハートフルドラマだが、転生アクション映画なので説明が難しい。