インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Bhairava Geetha (2018)

言語: Telugu, Kannada
監督: Siddharth Thatholu
脚本: Ram Gopal Varma, Ram V Krishna
出演: Dhananjay, Irra Mor, Raja Balwadi, Vijay Ram
時間: 129 min.

メモ

▼ 手段
​配信 (英語字幕付き)
▼ 動機
前回、​怒涛の展開が消化しきれなかったため

概要

90年代にラーヤラシーマ地方で実際に起こった紛争を元にした作品。身分違いの恋による駆け落ち話を主軸に展開する。

​父親の代からファクショニスト一味の手下として使えてきたバイラヴァは、頭領スッバ・レッディの一人娘、ギータに密かに想いを寄せる。
学業を修め、帰郷したギータもバイラヴァに想いを寄せはじめるが、地元政治家の息子との縁談を取り付けられてしまう。
婚約者であるカッタ・レッディの素行の悪さに、嫌悪感を抱いたギータは「彼と結婚するぐらいなら誠実で信頼できるバイラヴァと結婚する」と父に反発する。
面目を潰され怒り狂ったスッバ・レッディは、バイラヴァ抹殺を命じる。

感想

前回観た時に、怒涛のラスト30分の情報量を処理しきれなかったため再チャレンジ。
凄まじいまでの残酷さと流血量のため、「他人の感想は読みたい≒オススメ作品」​の1つ。

本作の注意点

1. 冒頭から物凄い拷問シーンがある
その内容については耐性がある人でもキツイかもしれない。

2. 冷酷非道な敵ボス
ギータの父親であり、一味の頭領スッバ・レッディは放送禁止用語 1 を連発し、手下を消耗品扱いする (燃やしたりもする)。いい人っぽい描写があるとしたら、娘に外出許可を与えるシーン位だろうか。

3. 親しみを覚え始めた頃に人物が死ぬ
割と酷い死に方をするので悲しい。でもこれは登場人物に感情移入出来ていることの証だと捉えることもできるので、悪い事だとは言い切れない。

4. Blood Bath !!!
下手をすると『Rakta Charitra I, II 』(Ram Gopal Varma, 2010) 前後編 (※) の総流血量と同等か…(個人談)。因みにRGV監督は本作ではプロデューサーに回っている。

※実話を元にしたファクション映画。観ると他の作品で描かれている同様の争いの背景が掴みやすくなる。インド南北をまたいだ豪華出演陣も魅力の1つ。

良かったこと

1. 力の入った戦闘シーン
バイラヴァ達の逃亡先の村民もスッバ・レッディの暴力に耐えていた。
からの、代々虐げられてきた村人たちの怒りと怨念の武装放棄…女も男も関係なく武器を取り敵を皆殺しにしていく様は、この世の終わりの戦争のようななド迫力だった。観たのスマホだけど。

2. ダンスシーンがある
なんかホッとする。

3. ロマンチック
ヒーローが超イケメン。ダナンジェイさんは主にカンナダ圏で活躍しているとのこと…涼し気な目元が、素朴だが思慮深いバイラヴァのイメージに合っていた。

殺戮シーンが印象に残りがちな本作だが、ヒロインに向ける淡い恋心の描写が丁寧でキュンとくる。ピュアな男なのよ、バイラヴァは…。
駆け落ちはよくあるシチュエーションではあるが、なんだかんだでロマンチックだなぁと思うなど。
そして演出がエロい 見れば分かります…。

4. 戦うヒロイン
我儘なお嬢様だが、ガッツを感じさせられて良いキャラをしている。勿論、鉈で戦う。

5. ヤギがかわいい
沢山出てきてかわいい (ヤギさんたちは酷い目に合わないから安心して大丈夫)。牛もかわいい。

以上、注意点と同じ熱量で良かった所も挙げてみた。
現地での評価は高くないようだが、某作品 が頭をよぎる瞬間もあり、楽しい (特に音楽や戦闘シーンの演出)。

2回目を見終わっても、相変わらず消化不良感が残っているので、後ほど最後の30分間だけカンナダ語版も観ようと思う。

参考記事


  1. 字幕によると、身分差別用語だと思われる単語だった。