インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Hitudu (2015)

言語: Telugu
監督・脚本: Viplove Koneti
時間: 150 min.
出演: Jagapati Babu, Meera Nandan

メモ

▼ 手段
​配信 (無字幕)
▼ 動機
​我が推しの主演作

概要

女性がある人物を探しに車を出し、同乗者である少年に過去の出来事を語る。

元ナクサライ1 構成員のシータラーム (ジャガパティ・バーブ) は、貧しい農村で学校を開く。
性格が明るく利発な娘、アビラーシャ (ミーラー・ナンダン) に才能を見出したシータラームは、彼女に進学するよう勧める。 しかし、アビラーシャは裕福だが歳の離れた横柄な地主と望まぬ婚姻を決められてしまい、新婚初夜に逃げ出す。
シータラームは組織の仲間達の協力を得て、彼女が教育を受けられるよう、離れた街へ逃がす。
アビラーシャは​全寮制学校への入学が叶い、様々な困難に見舞われながらも手紙を通じてシータラームの支えを得られ、無事に医学科に進学する。
後半はアビラーシャのその後の人生や、彼女の就学中にシータラームの身に起こった出来事、二人の離別・再会を描いている。

原案はロシア文学小説『The First Teacher』(Chinghiz Aitmatov, 1962) 2

感想

​本作はJBさんが悪役として再ブレイクを果たした『Legend』(Boyapati Srinu, 2014)の翌年に公開された作品。
それまでは通常ならやりたがらないような仕事も引き受けていたような印象だが、この年を境に、本当に良い作品・良い役柄に恵まれるようになったんだなぁ 3 と…(泣きながら)。

無字幕ながらも、教育の大切さは勿論のこと、児童婚、望まぬ行為による妊娠・中絶などの難しい問題がとても慎重に、丁寧に扱われていることが伝わってきた。
また「ヒーロー/ヒロインならこう」といった、型にはまった演技は一切排除されており、教師と教え子の、恋愛に発展しそうでしない、プラトニックな感情が非常に繊細に描かれていたのも印象に残る。
深く慕っていたアビラーシャには辛かったかもしれないが、シータラームが徹底して彼女を守るべき対象と見なし、励まし続け、保護者のスタンスを崩さなかったことも非常に好感が持てた。父のような、兄のような…。精神的にも成熟した、大人の男性の余裕と魅力か。

アビラーシャの少女時代・青年時代・家族を持って落ち着いた時代に応じてシータラームのビジュアルも変わっていった所も嬉しいポイントだった (下図ポスター参照) 。

f:id:hyperusagi:20190421203212j:plain

中盤の都会の生活にすっかり慣れたアビラーシャに対し、エスカレーターに乗るのもおっかなびっくりなシータラームの姿は微笑ましかった。でも、二人の住んでいる世界の違いを感じさせられて切なくもあった。

教育や人権がテーマの映画がどんな雰囲気かは想像できるかもしれないが、メインストリームの娯楽作品と同じテンションで観るわけにはいかず…それでも、これほどまでにジャガパティさんの存在感と演技力が光る作品が作られていたことを幸運に思った。

英題はWell Wisher…(また泣く)


  1. 共産主義を掲げる、インドの反政府武装組織。

  2. 出典 (https://mobile.apherald.com/Movies/Reviews/106735/Hithudu-Telugu-Movie-Review-Rating/)

  3. 同年公開作品にマヘーシュ・バブ主演『Srimanthudu』(Koratala Siva, 2015) がある。