インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Maharshi (2019)

言語: Telugu
監督: Vamsi Paidipally
時間: 176 min.
出演: Mahesh Babu, Allari Naresh, Pooja Hegde, Jagapati Babu

f:id:hyperusagi:20190512193754j:plain

メモ

▼ 手段
自主上映会 (英字幕付き)
▼ 動機
​ジャガパティさん

概要

​米国のIT業界で大成功を治め、億万長者となった青年・リシが故郷インドに戻り、貧困、過疎化、土地の買収に遭う農村部の復興に乗り出す。

感想

​マヘーシュ・バブ (以下、王子) を初めてスクリーンの大画面で拝んだが、本当に何をしても絵になる(製作側もそうすべくあらゆる手で尽力してるのが伝わってくる…スーツをビシッと着こなすシーンなどは本当に効果音か聞こえてきそうな勢い)。
「静止画では魅力が伝わりきらない」というファンのコメントに全面的に同意。

主人公・リシのCEO就任に際して秘書が同期生を集め、サプライズパーティーを開いた所で学生時代の回想シーンに移行するわけだが、学生時代を演じても全く違和感がない王子には驚く暇も無かった。

リシの周りの人物達も印象に残った。彼の成功への大志を抱くきっかけは父 (プラカーシュ・ラージ) の存在だった。幼いリシは、社会的には成功せず、借金の返済に追われる父を恥じていたようだった。 が、彼の無私な善良さや近隣住民から慕われる様子、自慢に思っていた息子に残した手紙から「本当の"成功者"とは何か」について考えさせられた。

リシの為に自らの将来を捨て、希望を託した友人・ラヴィ(アッラリ・ナレーシュ) の存在も物語の展開には欠かせない。 ヒロインのプージャ (プージャ・ヘグデ) が自立した女性として描かれていたのもポイント 1

登場シーンを今か今かと待ち続けたジャガパティさんは物語の後半からが本番だった。
リシが守ろうとした農村地帯を、自らの事業の計画用地として買収しようとする大富豪役…というお得意のレパートリーのように始めは思えたが、リシと初めて会談した際の、スマートで爽やかなビジネスマンの顔から手段を選ばぬ強欲な本性に転じる瞬間 にゾワッと来た 2 。好き。

リシに農業を伝授した老人も非常に印象に残る。誰と誰が争おうが、土地が奪われてしまうかもしれない危機を目前にしようが、毎日黙々と畑へ出向く姿には心を打たれた。 教えを乞うリシにかけた「教えるも何も、土地に踏み入れれば大地の方がお前を引っ張り込む」という素朴な言葉には深い含蓄があった。
また、リシの「農業 (Agriculture) とは、人間と大地との素晴らしいリレーションシップだ」というスピーチには、自分たちの食生活が農業に携わる人々の苦労に支えられている事を思い出させられる。

アクションヒーロー要素もありながら、後半には農村部の苦境を訴える社会派の要素もあり、良く練られた作品に感じられた。

(鑑賞日:5/12 )


  1. プージャちゃんかわええ。ダンス曲のウィンクで惚れるかと思った。

  2. 悪役で出てるときは大体最初から怖い人じゃないか…?良いお父さん役とのギャップが毎度凄すぎる。お着替えも多いしなんかもう登場する度に自分が原型を留めているか不安に思った。カッコ良すぎて笑うしかない。