インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Anand (1971)

言語: Hindi
監督: Hrishikesh Mukherjee
時間: 122分
出演: Rajesh Khanna, Amitabh Bachchan, Sumita Sanyal, Ramesh Deo

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メモ

▼ 手段
​配信 (英語字幕付き)
▼ 動機
​- 現地ファンおすすめ
- バッチャン様のお若い頃の作品が何か見たかった

概要

物語は『Anand』という本の著者であり、ガン治療を専門とする医師・バースカル (アミターブ・バッチャン) を囲むセレモニーで始まる。

「この作品を通じて皆様に、アーナンドの友人になっていただきたい」

バースカルは記念イベントのスピーチで、本の主人公・アーナンドが実在した人物であること、共に過ごした日々を記録した日記であることを明かす。

時を遡り――。
​医療が貧困の根本的な解決にならず、失望を感じていたバースカルの元に、ある日 末期ガン患者・アーナンド(ラジェッシュ・カンナ)がやってくる。
余命半年の宣告を受けながらも、天真爛漫で陽気なアーナンドは、バースカルともすぐに打ち解け、友情が芽生える。

ガン患者としてではなく、友人として記憶に残ることを望むアーナンド。
彼の生き方がどのようにバースカルを変えたかが描かれる。

感想

個人的な話になってしまうが、自分の身内にも治療中の物がおり、しみじみと考えさせられる作品だった。
まずはじめに、アーナンドが(敢えて?)病床に弱々しく伏せる患者として描かれていないのが素晴らしい。

残された時間の一瞬一瞬を余す事なく楽しみ、人と喜びは分かち合えど、哀しみは自分の心の内に留めるアーナンド…人生を全面的に肯定する姿の何と眩しいことか…。
歌のシーンの情感は、とても言葉で表せない。

ミュージックシーンだけ字幕がないインド映画も時々観るが、これは字幕がちゃんとあって良かった。リリックの中身って大事だな…。

バースカルの友人・クルカルニもバースカルのように貧しきを助ける医者だが、裕福な患者(大した症状ではない)から治療費を巻き上げて治療費に充てているという、清濁併せ持つスタンスが興味深い。

若い頃のバッチャン様もハッとするほどの美丈夫だが、ラジェッシュ・カンナ 1 が演じるアーナンドの底抜けに明るく、同時に強い意志を感じさせられる笑顔がいつまでも心に残る。

近頃、死とは何か、別れとは何かについてぐるぐる反芻して落ち込んでいたが、アナンドの姿勢から糸口が見つけられそうだ。

思い通りにならない出来事であっても、どう受け止めるかは自分で選べる…そんな事を思い出させてくれた。

本作はラジェッシュ​・カンナの主演俳優賞、バッチャン様の助演俳優賞の他、数々の賞を受賞しているとのこと。

(鑑賞日: 6/28)


  1. 初見なので調べてみたら、バッチャン様と並ぶほど (バッチャン様が登場するまではトップ) の人気だったそうな。2012年に69歳でお亡くなりになっていた…早すぎるよ…。