言語: Hindi
監督: Hrishikesh Mukherjee
時間: 122分
出演: Rajesh Khanna, Amitabh Bachchan, Sumita Sanyal, Ramesh Deo
メモ
▼ 手段
配信 (英語字幕付き)
▼ 動機
- 現地ファンおすすめ
- バッチャン様のお若い頃の作品が何か見たかった
概要
物語は『Anand』という本の著者であり、ガン治療を専門とする医師・バースカル (アミターブ・バッチャン) を囲むセレモニーで始まる。
「この作品を通じて皆様に、アーナンドの友人になっていただきたい」
バースカルは記念イベントのスピーチで、本の主人公・アーナンドが実在した人物であること、共に過ごした日々を記録した日記であることを明かす。
時を遡り――。
医療が貧困の根本的な解決にならず、失望を感じていたバースカルの元に、ある日 末期ガン患者・アーナンド(ラジェッシュ・カンナ)がやってくる。
余命半年の宣告を受けながらも、天真爛漫で陽気なアーナンドは、バースカルともすぐに打ち解け、友情が芽生える。
ガン患者としてではなく、友人として記憶に残ることを望むアーナンド。
彼の生き方がどのようにバースカルを変えたかが描かれる。
感想
個人的な話になってしまうが、自分の身内にも治療中の物がおり、しみじみと考えさせられる作品だった。
まずはじめに、アーナンドが(敢えて?)病床に弱々しく伏せる患者として描かれていないのが素晴らしい。
残された時間の一瞬一瞬を余す事なく楽しみ、人と喜びは分かち合えど、哀しみは自分の心の内に留めるアーナンド…人生を全面的に肯定する姿の何と眩しいことか…。
歌のシーンの情感は、とても言葉で表せない。
ミュージックシーンだけ字幕がないインド映画も時々観るが、これは字幕がちゃんとあって良かった。リリックの中身って大事だな…。
バースカルの友人・クルカルニもバースカルのように貧しきを助ける医者だが、裕福な患者(大した症状ではない)から治療費を巻き上げて治療費に充てているという、清濁併せ持つスタンスが興味深い。
若い頃のバッチャン様もハッとするほどの美丈夫だが、ラジェッシュ・カンナ 1 が演じるアーナンドの底抜けに明るく、同時に強い意志を感じさせられる笑顔がいつまでも心に残る。
近頃、死とは何か、別れとは何かについてぐるぐる反芻して落ち込んでいたが、アナンドの姿勢から糸口が見つけられそうだ。
思い通りにならない出来事であっても、どう受け止めるかは自分で選べる…そんな事を思い出させてくれた。
本作はラジェッシュ・カンナの主演俳優賞、バッチャン様の助演俳優賞の他、数々の賞を受賞しているとのこと。
(鑑賞日: 6/28)
-
初見なので調べてみたら、バッチャン様と並ぶほど (バッチャン様が登場するまではトップ) の人気だったそうな。2012年に69歳でお亡くなりになっていた…早すぎるよ…。 ↩