インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

【お誕生日祝い】アルジュン・サルジャー出演作まとめ

8月15日になると、Twitterのタイムラインがインドの独立記念日を祝う投稿で埋め尽くされますが、カンナダ俳優のアルジュン・サルジャーさんの誕生日でもあるため、お祝いのメッセージや新作のアップデートなども多く流れます。

まずはアルジュンさんのプロフィールを簡単に記載します。

プロフィール

芸名 アルジュン・サルジャー(Arjun Sarja)。
1962年8月15日 カルナータカ州トゥムクル市生まれ。
アクションを得意とし、冠名「アクション・キング」としても知られる映画俳優、監督、プロデューサー。主演級の俳優だが悪役も脇役もこなせる人物。

幼少期は警察官にあこがれていたが、19歳で映画デビュー(『Simhada Mari Sainya』1981/Kannada)。

カンナダ語タミル語作品の他、テルグ語マラヤーラム語作品への出演実績もあり。

デビュー後にタミル映画界でも活動するよう助言(当時は年間公開作品数が他の地域よりも多かったとのこと)した父親は、カンナダ俳優 シャクティ・プラサード(1928 – 1986)。
アルジュンさんの長女アイシュワリヤー・アルジュン、甥のチランジーヴィ (1984 – 2020) とドゥルヴァ・サルジャーも映画俳優という俳優一家(Sarja family参照)

その他トリビア
  • 16歳で空手を習い始め、黒帯を所持。
  • テルグ俳優ジャガパティ・バーブさんは長年の友人。
  • 家族写真には愛犬や愛牛も一緒によく写る。みんなとてもかわいい。
参考
SNS

今日のために、特にお気に入りの出演作をピックアップしました(出演作は全て尊い。これでも頑張って削った)。  

なんとなく公開年順に挙げていますが、特に『Hero (2019)』と『Gentleman (1993)』を強調したく。マハーバーラタに親しんでいる方には併わせて『Kurukshetra(2019)』も推奨。興奮し散らかしながら語りたいのは『Sri Anjaneyam (2005)』。

※現時点では出演作品をすべてはコンプリートできていないため、本記事は今後も更新していく所存。 因みに日本語字幕で見られる映画は「ある」と言いたいですが、ないです。あってほしい。

好きな出演作

  • Shankar Guru (1987/Tamil):全てがあまりにも面白過ぎてなんにもネタバレできない。小さなレディーとおサルさんが大活躍する。
  • Thaimel Aanai (1988/Tamil):悲劇&復讐劇。ラグヴァランさんが演じる幼馴染とのブロマンスが美しい。 
  • Sonthakkaran (1989/Tamil):上記2作と同監督。めちゃくちゃ面白いのでShankar Guruと併せて推したい。特に終盤の怒涛の畳みかけと火薬量が凄い。ワンちゃんが大活躍する(無事です)。
  • Gentleman (1993/Tamil):代表作の一つ。本作を筆頭にJai Hind2 やHeroなど、国の教育事業に関する問題を取り上げた作品に出演することが多い。また、『ボス その男シヴァージ』や『ロボット』を手掛けたシャンカル監督のデビュー作でもある。
  • Mudhalvan (1999/Tamil):シャンカル監督による政治アクション作品。ジャーナリストが一日限定の州首相になった結果、民衆の支持を得てしまい…社会問題を娯楽作品として昇華するテクニックが素晴らしい。
  • Rhythm (2000/Tamil):穏やかで地に足の付いた、大人の恋愛が描かれている。こんなふうに、「I love you」を一言も言わせずに恋愛を描く映画ってなんだかいいなぁ。
  • Sri Manjunatha (2001/Kannada)→感想文
  • Hanuman Junction (2001/Telugu):ジャガパティ・バーブ共演作品。兄弟のように育った親友同士がヒロイン達を巡り、複雑な四角関係に陥る物語。
  • Puttintiki Ra Chelli/Anbu Sagotharan (2004/Telugu,Tamil):本当に理不尽で悲しい話だけど兄妹愛が美しくて泣けてくる。ラストの悲劇で気も狂わんばかりに嘆くアルジュンさんの演技に心臓を鷲掴みに…。
  • Sri Anjaneyam (2004/Telugu):ファンタジー作品。あまりにも好きすぎて一時期週3回ぐらい観てた。アルジュンさんが演じる役は、ご自身も篤く信仰する神格(ヒント:Anjaneyaはハヌマーンの別名)。
  • Chinna (2005/Tamil):ヒンディー語名作スリラー作品『Darr (1993)』から着想を得た悲恋モノ。気も狂わんばかりのアルジュンさんが(以下略)
  • Madrasi/Sivakasi (2006/Tamil,Telugu):ジャガパティ・バーブ共演作。刑務所で親しくなった者同士が出所後、敵対するギャングに入り…血で血を洗う抗争の結末は…。
  • Marudhamalai(2007/Tamil):立候補者を次々と亡き者にし、選挙を妨害するギャングが力を握る町。そこへ赴任した、新米警官が主人公の社会派アクション映画。車がカジュアルに垂直飛びする。
  • Rama Rama Krishna Krishna (2010, Telugu):ラーム・ポーティネーニ主演。所々荒削りなのに、画の強さとエモーションの激流で最高のエンディングに連れていかれるという、大好きな展開の作品だった。これだから映画鑑賞はやめられぬ。
  • Mankatha (2011/Tamil):アジット・クマール主演。これも何もネタバレできない!でもMankatha はいいぞ!!!!!
  • Prasad (2012/Kannada):聴覚障害のある息子が水泳を始めたことをきっかけに、家族の絆が深まる物語。こういうヒューマンドラマもとてもよい。
  • Irumbu Thirai (2018/Tamil):ヴィシャール主演。アルジュンさんが悪役を演じるサイバー犯罪スリラー。実際に身近にありうる脅威を描いており、情報リテラシーの重要さに思いを馳せるきっかけになる。
  • Kolaigaran (2019/Tamil):『容疑者Xの献身』のよきリメイク作品。Zee5にテルグ語吹き替え版『Killer』が配信されている(アルジュンさん本人が吹き替えをしているので安心して観られます)。
  • Kurukshetra (2019/Kannada):ダルシャン主演。インド大叙事詩マハーバーラタの最終決戦を、カウラヴァを率いるドゥルヨーダナの視点で描いた神話作品。昔ながらの神話映画の映像表現をそのまま最新の技術でビジュアル化している感じなど最高に好きです。アルジュンさんはカルナ役で出演。
  • Jack & Daniel (2019/Malayalam):ディリープ主演。強盗と捜査官の駆け引きを描いた、スタイリッシュな犯罪スリラー映画。アルジュンさんはマラヤーラム語も堪能で、吹き替えナシで出演できるの素晴らしいな。
  • Hero (2019/Tamil):シヴァカルティケーヤン主演。教育事業の欠陥や限界、優秀な頭脳の海外流出を描いた社会派アクション映画。Gentlemanの実質的な”精神的続編”と名高い(どちらを先に見ても問題ないです)。HeroもGentlemanもいいぞ!!!!!
  • LEO (2023/Tamil):ヴィジャイ主演、ローケーシュ・カナガラージ監督の犯罪アクションスリラー作品。Kaithi (2019/邦題『囚人ディリ』)、Vikram (2022)に続くバース展開作品。アルジュンさんは主人公を追う犯罪組織のボスの一人。悪役は前述のIrumbu Thirai以来だが、ベテラン俳優としての経験や得意分野を存分にフィーチャーした描かれ方だった。

各種配信先はこちらに記載の方法で探してみてください→ 【インド映画】配信先の探し方 - インド映画鑑賞記録
記載したタイトルはSimply SouthとYoutube配信が合わせて9割、残りはPrime US、Zee5、Sunnxtという体感。2015年代以前の旧作は運が良ければ円盤もある。

おわりに

本当はカメオ出演作品などもみんな入れたい。出演しているだけで最高のファンサービスです。 当初は★マークなどで作品の良さ度(?)を視覚化しようと試みたが、冷静に読み直したら全部MAXになっていたので、ボツにしますた(そもそも筆者が気に入っているからといって、すべての人に合うとは限らないので、レーティングを行ってもあまり意味ないかもなと思うなど)。

アルジュン・サルジャーさん、お誕生日おめでとうございます。 実りの多く素敵な一年を過ごせますように。

2020年から今までに起きたこと

最終更新日を観たら「2020-05-03」だった… だいぶ間が空いてしまいました、ご無沙汰です。

最後にブログを更新してから今までに起こった出来事

以下相当におおざっぱで適当なメモ

2020年

2019年12月初旬からニュースになっていたコロナ禍が日本にも上陸 インド本国でも製作中の映画が次々と延期される中、OTT(オンライン配信サービス)向けの作品が細々と発表される状況。 …だったような気がする。 外出自粛期間ばかりが長引く。 自主上映に行けてない(あまり無かったかもしれない)

2021年

  • 2020年の続き。あまり年度が変った感覚なし。自主上映に行けてない
  • 完全にブログの存在を忘れた
  • 自分が存在していたかどうかもぶっちゃけ覚えてない
  • 何も分からない もうだめだ
  • これではいかんと何故か絵の勉強を始める。今も頑張ってるよ。でも分からない急にやめるかもしれない。

2022年

  • 年始に2年ぶりくらいに自主上映に行った。ナンダムーリ・バーラクリシュナ主演のAkhanda(Telugu/2021)。 この時も再上映だったけどその後も様々な折に再上映されていた。
  • 4月頃にK.G.F: Chapter 2が公開されたので、自主上映に行った。
  • 『シン・ウルトラマン』を観て、ウルトラQ帰ってきたウルトラマンラソンをする。よい。
  • RRRが公開される。10月には日本でも全国で劇場公開される。
  • ラーム・チャラン、NTR jr、ラージャマウリ監督の舞台挨拶あり。その後もあれよあれよという間に上映期間が延びていく。
  • 『マスター 先生が来る!』や『スーパー30 アーナンド先生の教室』なども公開されたね。

2023年

  • RRRは4月ぐらいまであらゆる形式で上映が続いた。
  • リティク・ローシャン主演の『バン・バン!(Bang Bang!/2014/Hindi)』が公開される
  • Rangasthalam (2018/Telugu) が5年越しに自主上映が実現。口コミで人気が広がり、再上映が重ねられる。
  • テルグ俳優のスッバラージュ3度目の再来日。桜が見られて良かったね!
  • NTR jr主演のYamadonga (2007)やAravinda Sametha Veera Ragava (2018)がJAIHOで配信決定するなど、RRR人気に関連したアップデートが続く。
  • 『ランガスタラム』が7月に一般公開される予定←NEW 
  • ブラフマーストラ』の公開も楽しみだね。

この間も配信サービスを利用して日常的に映画鑑賞は続けていたが、 映画館で観る機会があれば、その度にスクリーンで見られることのありがたみを噛み締めるなどした…。

しかし記憶があやふやなところも多く、抜け漏れや時系列に不備があるかもしれない。

昔のことは忘れた。しかし大事なのはこれからだ(急速な力のみなぎり)!

実は、Rangasthalamが自主上映されたときに、過去に書いたジャガパティ・バーブ出演作品の記事が布教の役に立った。 Happy Birthday Jagapati Babu Sir! - インド映画鑑賞記録

以下の記事は今も割と読まれている気がする gomashio.hatenadiary.com gomashio.hatenadiary.com

このことでまとめや感想文を書くことの意義を再発見したので、ぼちぼち更新を再開していきたいと思います。 未来の自分が作品を観たのを忘れても、記憶を取り戻せるような記録を残すのが理想。 でも分からない また急にやめるかもしれない。

2020年4月鑑賞作品

目次

テルグ作品

  • Sarileru Neekevvaru 2020
    ロケ地や引用にニヤついたりなどしました…アジャイさんの可愛さがマシマシ状態。何なのあれ。その前の週ぐらいに観たVenky Mamaと一部キャストやロケ地が被ったため地続きなのかと思ってしまった。
  • Sisindri 1995
    この日はアキル・アッキネーニ君のお誕生日だったので観ました。赤ちゃんが、誘拐犯のおじさんたちを困らせながら(半分自力で)両親の元に戻るお話です。1歳にはなってたのかな?アキル君本当に可愛らしくてきれいな赤ちゃんでした。
  • Savyasachi 2018
    主人公の左手には、母のお腹の中で融合してしまった双子の兄弟が宿ってます (き、寄○獣…)。学園ドラマや家族愛の要素も入った、アクション盛り沢山の楽しい作品です。悪役のマディさん超カッコよかったです。
  • Disco Raja 2020
    長期冷凍保存されていたラヴィテジャさんが暴れる話です。ガヤガヤしながら観たかった。デンジャラスなボビー・シンハちょっと好きです。

テルグ作品 (旧作)

  • Keelu Gurram 1949
    邪悪な側室の計略により、追放された母から生まれたANR様が逞しく育ち、大冒険をしながら帰還する王道ファンタジー映画でした。アンジャリーデーヴィの物凄い悪女ぶりが良かったです(優しいお母さんやお姫様のイメージを持っていたので新鮮。かっこいい)。
  • Tata Manavadu 1972
    祖父母に親不孝の限りを尽くして捨てた父親を孫たちが懲らしめるお話です。最後はハッピーエンド。働き者のおじいさん役で主演のSVRさんが本作で見せる「悲しみのあまり浮かべてしまう、失意の籠もった笑み」がすごく印象に残りました…笑いながら心が泣いているのが伝わり、本当に絶妙な表情でした。涙なしには見られなかったです。
  • Sri Venkateshwara Mahatyam 1960
    NTR、サーヴィトリ共演作。ヴィシュヌ神がヴェンカテーシュワラ神として地上に顕現した経緯や伴侶達との馴れ初め、ティルパティに伝わる伝説がまとまっててとても良かったです。Om Namo Venkatesaya (2017 Telugu) でナグ様が演じた、ハティラーム バーワージの物語も盛り込まれていましたね。終盤はドキュメンタリー要素もあり、伝説の延長線上に確かな現実がある感覚が面白かったです。

ヒンディー語作品

  • Agni Varsha 2002
    インドラへの雨乞いの儀式を主軸とする、VFXを最小限に抑えたファンタジー・ロマンスです。哲学的で少し変わった雰囲気が素敵です…「炎」と「水(乾き)」の描写が象徴的で、印象に残りました。欲望や情念を象徴する「水」を、様々な人がいろんな形で欲していました。配信で観たのですが、あまりにも素晴らしいのでDVDも購入。
  • Mom 2017
    凄かったです…母 (Sridevi) が、娘を酷い目に合わせた加害者達に復讐していく物語です。これは実の母親ではなく、継母なのもポイントなのかなと思いました。シュリーデーヴィさん、強いしカッコいい。彼女に協力する私立探偵をナワーズッディーン・シッディーキーが演じてますが、出っ歯で薄毛の特殊メイクが秀逸。本物の漢の生きざまを見せつけてくれる良い役でした。

タミル語作品

  • Sarvam Thaala Mayam 2018
    打楽器・ムリダンガムにあこがれる青年が、反対や苦難に遭いながらも、その名手に弟子入りし大成していく物語。主人公ピーターの純粋でキラキラした瞳と、音楽への真っ直ぐな情熱に心打たれる作品でした。クライマックスで、音のイメージが滝の如く怒涛のように押し寄せて、ピーターが「何か」の頂きに達した時の高揚感がヤバイです。ハートフルな日本語字幕により、感動が心に深くしみました。

2020年2月鑑賞作品

今月からなんとなくインド映画以外で観た映画も雑に記録してみます。

目次

テルグ作品

  • Simha Swapnam ー1989
    弟を殺され、無実の罪に問われたクリシュナン・ラージュさんが復讐者として暴れる映画。ジャガパティさんが息子役のサブヒーローとして活躍。Khatron Ke Khiladi (1988, Hindi)のリメイク作。
  • Oh! Baby おかわり ー2019
    何度見ても本当に面白い
  • Subhakankshalu ー1997
    ジャガパティさん主演作。身内の駆け落ち婚で憎しみ合うようになった両家に、息子を名乗る人物が和をもたらすお話。ギャグシーンが面白いので、終始ドタバタ喜劇かと思ったら泣かせる話だった。冒頭だけワンコ注意
  • Shirdi Sai ー2012
    19世紀〜20世紀の聖者シルディー・サイ・ババの伝記作品。ナグ様の熱演の次か、それ以上にラクダが印象に残る。

テルグ作品 ―70年代以前

  • Sri Krishnanjaneya Yuddham ー1972
    Sri Ramanjaneya Yuddham(1975)と間違えて観たけど、これはこれで「転生」というテーマを扱ってて面白かった…ラーマがクリシュナに転生しても、ハヌマーンは変わらずラーマを慕っている。
  • Mooga Manasulu ー1964
    名家のお嬢様とボート漕ぎ・ゴーピの悲恋を描いた名作。素晴らしかった…インドで初めて転生を扱ったとされている作品とのこと。ANR様、サーヴィトリ、ジャムナさん共演作。2月に観た映画の中で一番好き。音楽・演出・演技何をとっても後世に残したい素晴らしさ。
  • Bala Bharatam ー1972
    こどもマハーバーラタ。パーンダヴァ、カウラヴァの王子達の子供時代が描かれてました。クリシュナも、カルナもアシュヴァッターマも、みんな小さい!ドゥルヨーダナのガキ大将ぶりがよかった。妹役のシュリーデーヴィーさんがものすごい美少女。
  • Mohini Bhasmasura ー1960
    頭上に手を翳した相手を一瞬で灰にする力を得たアスラが、美女に化けたヴィシュヌの策略で自滅するお話。Mayabazar (1957)の劇中劇にも登場する物語。人物の解釈とSVRさんの好演もあって、主人公の最期はとても寂しかった…。すごくおもしろかった。
  • Patala Bhairavi ー1951 One of the greatest Indian movies of all time と名高い、TR様をスターダムに押し上げた冒険活劇。アラジンと魔法のランプのテルグ・アダプテーションNTR様もカッコよかったけど、SVRさんが演じた悪の魔術師もユーモラスで味があった。

    ヒンディー語作品

  • Dharam Sankat Mein ー2015
    宗教的なアイデンティティー・クライシスを描いた邦題:「信じる心、危機一髪!」。代々ヒンドゥー教徒だと思っていた男の実の両親がイスラム教徒だったと分かり、父親との再会に備えて戸惑いながらも作法を学んでいく話。OMGのParesh Rawal主演。
  • Pink ー2016
    性的暴行を受けそうになった女性の正当防衛を巡る法廷映画。「No means NO」が当たり前の世の中になってほしいしそうなるべきよね。
  • PK(再) ー2014
    何度見ても面白い。「何かに疑問を持つこと」は「何かを信じること」と対立関係にあるどころか、真実に辿り着くためには絶対に必要なことなんだと常々思う。
  • Ankur ー1974
    50年代AP州の封建的な農村を舞台にしたアナント・ナーグ主演作品。→感想文
  • Amar Akbar Anthony ー1977
    めちゃくちゃ面白かった。生き別れて其々違う宗教的バックグラウンドで育った三兄弟と、肉親との再会を描いたアクション・コメディ。若バッチャン様がハンサムの権化。
  • オーマイゴッド〜神への訴状〜(再) ー2012
    ​日本語字幕がNetflixにあるので友達と一緒に観た。何回見ても面白い。

タミル語作品

  • Nerkonda Paarvai ー2019
    ​Pink (2016, Hindi) をアジット・クマール主演でタミル語リメイクしたもの。キャラクター解釈の違いが楽しめる良いリメイクだった。

    その他

  • A Throw of Dice ー1929
    マハーバーラタのサイコロ賭博から着想を得た、独・英領インド合作のサイレント映画。ロマンチック。
  • 宇宙大怪獣ドゴラ ー1964
    その名前からは姿がなんにも想像できない怪獣の映画。意志を感じない怪獣を初めてみた。
  • 宇宙大怪獣ギララ ー1967
    その名前からは姿がなんにも想像できない怪獣が暴れる映画。めちゃくちゃ怒ってた。
  • 宇宙怪獣ガメラ ー1980
    ガメラ本来のストーリーラインには関連のないスーパーウーマン3人と宇宙海賊との攻防に絡めた昭和ガメラの総集編。
  • Midsommar ー2019
    ツイッターのタイムラインを流れてくる感想をみて警戒していたが、私は割と大丈夫だった。エクストリームな状況に対抗するためにはエクストリームさが必要なこともあるのかもしれない。尚その夜はぐっすり眠れたという不思議な現象を報告。

Ankur (1974, Hindi)

言語: ヒンディー語
監督: Shyam Benegal
脚本: Shyam Benegal (Screenplay), Satyadev Dubey(Dialogue)
時間: 125分
出演: Anant Nag, Shabana Azmi, Sadhu Meher

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メモ

▼ 手段
​DVD (英字幕付き)
▼ 動機
​- アナントナーグさん主演作
- フォロワー様のオススメ

概要

​農村で貧しい生活をしていたラクシュミー(シャバーナー アーズミー)は子宝を切望していた。聴覚と発声が不自由な夫は、かつては実直な陶工だったがアルミ製の食器の流入により失職し、酒に溺れるようになってしまった。彼女はそんなに夫に代わり、領主の息子の家で下女として働いていた。

一方、都会から戻ってきたばかりの領主の息子・スーリヤ(アナント ナーグ)は、幼くして結婚した妻が成人するのを待たなければならず、農園の管理を任されながら不満を募らせていた。
彼はラクシュミーの夫に仕事を与えるが、彼が敷地内で作っているヤシ酒を盗み飲みしていた事がわかり、彼を罰する。
罰を与えられた翌日に、ラクシュミーの夫は彼女を残したまま失踪する。

兼ねてからラクシュミーの美貌に惹かれていたスーリヤは、彼女と身分違いの関係を結んでしまう。
しかし、成人した妻を自宅に迎えた頃にラクシュミーの妊娠が発覚する。

危機に直面したスーリヤとラクシュミーが取った行動とは―。

感想

スクリーンデビューしたてのアナントナーグさんの光り輝くハンサムぶりに魅入る前半だったが、物語の後半で1番輝いたのは、シャバーナー・アーズミーが演じたラクシュミーだった。 罪の意識に苛まれながらも母親となった彼女の、気丈な振る舞いからは人格の成長が伺えて、キャラクターに奥行きが感じられる。

一方、農村部の封建的な社会の中では驚くほど先進的なものの考え方をしていた若旦那様の変貌は対照的で興味深い。

都合の悪く理不尽な出来事に直面したときにこそ、人間性というものは試されるのかもしれない。

セリフが比較的少なく、静かな印象だったが、演じ手の表情やシチュエーションで心の機微を深く魅せる映画だった。

何気ないカットが何かを象徴していたり、その後の物語の展開を予感させる点も良かった。

物語は50年代のアーンドラ・プラデーシュ州で実際に起こった出来事に基づいており 1、撮影の殆どが州内で行われたという。邦題は『芽生え』。英題は『The Seeding』。

物語の随所に植物の描写があり、ラクシュミーが子宝を望んでいることや、スーリヤの腹違いの兄弟の存在も重要な伏線になっている。
終盤の村の子供の行動からも、新たな時代の芽吹きを予感させられる点が面白い。

(鑑賞日: 2/16)


  1. 杉本良男(2002)『インド映画への招待状』青弓社