インド映画鑑賞記録

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Sarkar Raj (2008)

言語: Hindi
監督・脚本: Ram Gopal Varma
出演: Amitabh Bachchan, Abhishek Bachchan, Aishwarya Rai Bachchan
時間: 125 min.

メモ

▼ 手段
​DVD (英字幕付き)
▼ 動機
​Sarkarの続編だから観た

概要

『Sarkar』(2005) の続編。ムンバイ裏社会の秩序・サルカールことスバーシュ(アミターブ・バッチャン)が息子シャンカル(アビシェーク・バッチャン)に組織の采配を譲ってから2年。
ロンドンを拠点とする電力会社が ムンバイへの電力供給のため、マハーラーシュトラ州発電所を建設を計画する。
電力会社社長の後継者であるアニータ(アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン)が建設予定地の地元住民を説得するよう、スバーシュらに協力を要請するが、スバーシュはこれを拒否する。
「損害を被るように見えても、長い目でみれば地域の発展に貢献する」と、シャンカルは父を説得*1 し建設計画に乗り出すが、活動家サンジャイ・ソームジー(ラージェーシュ・シュリンガープレー)の強い反発を受ける。

感想

前作はスバーシュからシャンカルへの力の継承に重点を置いていたが、本作は理想に燃えるリーダーとしてのシャンカルの姿が目立った。また、長男・ヴィシュヌ(ケイ・ケイ・メノン)を救えなかったことに対するスバーシュの深い後悔も非常に丁寧に描かれていた。

解像度というか、画面のクリアさが劇的に上がったことから、監督がデジタル撮影にシフトした*2 後の作品だと思われるが、くっきりとした陰影を活かした独特の映像美は踏襲しており、違和感はなかった。
真っ暗な部屋に差し込む黄昏の光の美しさよ…。

[ 前作で重要な役割を担っていたメンバーが何人も退場してしまう]のはショックだったが、それに続くスバーシュのモノローグが紡ぎ出す、深い悲しみと悔恨の情の細やかさは筆舌に尽くしがたいものがあった。

少々乱暴な展開に感じられた上、3作目を作る事が前提のような終わり方をするので、若干の不完全燃焼感は残るが、主要人物らのドラマ俳優としての実力が充分に発揮できた力作には間違いないように思う。
3作目の『Sarkar3』は賛否が分かれるようだが、後の楽しみに取っておこうと思う。 ​ ​ ​ (鑑賞日: 4/7)

関連ツイート


  1. スバーシュが前作の劇中の取引で「目先の利益を追うと、短期的には利益が得られても、長い目で見れば損失にしかならない」(うろ覚え)と持ち出した持論を、シャンカルが説得材料にしていたのが面白かった。シャンカルの聡明さが感じられるシーン。

  2. ソースは忘れたが、フィルム撮影が主流だったテルグ映画界でデジタル撮影をいち早く導入した監督の1人だったと聞いている。