インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Maqbool (2003)

言語: Hindi
監督: Vishal Bhardwaj
脚本: Vishal Bhardwaj, Abbas Tyrewala
出演: Irrfan Khan, Tabu, Pankaj Kapur, Om Puri, Naseeruddin Shah
時間: 132 min.

メモ

▼ 手段
Blu-ray (英字幕付き)
▼ 動機
- ​元ネタが好き
- 制作年順

概要

シェイクスピア悲劇『マクベス』のバルドワージ監督によるリメイク。

ムンバイマフィアのボス・アッバージー(パンカジ・カプール)から信頼を得ていたマクブール (イルファン・カーン) は、ボスの愛人であるニンミー (タッブー) に密かに想いを寄せていた。彼女もまた彼を愛しており、ボスを暗殺するようマクブールに迫る。

ある晩、マクブールはニンミーの隣で就寝中のアッバージーを暗殺する。見事にボスの座を得た彼は、後顧の憂いを断つ為に関係者の粛清にとりかかる。全てが順調かに思われたが、罪悪感から幻覚に悩まされるようになり、暗雲が立ち込める。

感想

元ネタの演劇が好きなので(特に子供の頃に観たアニメが トラウマレベルにおどろおどろしくて良かった)どのように解釈されるか、とても気になった。
ムンバイのアンダーワールドをベースにしており、血塗られた悲劇にはこれ以上に無いほどにしっくりくる設定だった。

マクベスに謎かけめいた予言を与える三人の魔女達の役割を、本作では主人公が属すマフィア組織と政府を繋ぐ汚職警官たち (オーム・プリ、ナスィールッディーン・シャー) が担っていたのがとても良かった。
彼らのような狂言回し的な役柄はどちらかと言えば、物語の傍観者の立場を取る印象を持っていたのだが、彼らはダイレクトに物語の展開に影響を与えていた点が興味深い。

情熱的に迫るニンミーにタジタジな所もそうだが、映画業界のシノギを未経験で任された時に見せた戸惑いなども、マクブールの少し臆病な側面が現れていて面白かった。本当にちょっとしたことだが、その人物の本質が伺える場面があると物語の理解が深まるので見逃せない。

元来、慎重で冷静なマクブールが悪女・ニンミーに唆され、真っ逆さまに落ちていく物語は悪夢としか言いようが無い…元凶となったニンミー自身の正気もまた蝕まれていくのだが。 ​ (鑑賞日: 4/7)

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