インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Omkara (2006)

言語: Hindi
監督: Vishal Bhardwaj
原作: William Shakespeare
時間: 155 min.
出演: Ajay Devgn, Saif Ali Khan, Kareena Kapoor, Vivek Oberoi, Bipasha Basu

メモ

▼ 手段
​DVD (英字幕付き)
▼ 動機
​- 同監督によるマクベスのリメイク『Maqbool』が良かったから
- 裏パッケージの説明があまりにもアレ 1 だったから

概要

シェイクスピア劇『オセロ』​に基づく。
身分の高い父親と、身分の低い母親に生まれた男、オムカラ (アジャイ・デーヴガン) は差別を受けながらも実力でのし上がり、ギャングのリーダーとして力を握っていた。
「オーミー」と呼ばれ、部下達から尊敬されていたオムカラ。

彼は別の男性との結婚が決まっていた恋人ドリー (カリーナ・カプール) の誘拐に成功し、幸せが二人を待ち受けていたかに思えた。

しかしオーミーは、若く有能なケーシュ (ヴィヴェーク・オベロイ) を新たな副官に任命したことにより、もう一人の実力者 ラングラー (サイフ・アリー・カーン) の恨みを買ってしまう。
ラングラーは、ケーシューがオーミーの信頼を失うよう画策する。また、ドリーの世話を任されている妻・インドゥの立場も利用し、オムカラとドリーを引き裂く。

感想

どんなイケメンが現れようが、どんな美女が踊ろうが関係ない、皆不幸になるのだから…と言わんばかりの暗さ…とにかく暗いけどそれは予想できてるからok。

陰鬱の美学を追求したような作品だった。
『Maqbool』でも感じたが、BGMを必要以上に使わず、セリフの "間" を強く意識させられた。沈黙が多くを語る、そんなタイプの作品かもしれない(アジャイさんのハンサムに集中できる)。

前半のオムカラとドリーのじゃれあいに、楽しげな仲間たち…全ては物語の後半の悲劇性を際立たせるためなんだと覚悟して観ていたけれども、やっぱり堪えた。

ラングラーがあらゆる手段でオーミーに毒を吹き込む所をただ黙ってみている事しかできない無力感…。 ドリーやケーシュー 2 が泣きそうな顔で、訳もわからぬままオーミーに突き放されていく様には心が痛んだ。

オベロイの無邪気わんこ属性(?)なキャラクターも良かったし、知的で迫力のある美女という印象しか無かったカリーナ・カプールのピュアでイノセントな演技も素晴らしかった。

ラングラーの評価されないことの悔しさや、ケーシューに対する嫉妬心はよく分かる反面、あまりの仕打ちに憎しみが沸いた。
共感と反感をこれほどまでに、しかも同時に感じさせられるキャラクターは多くない。サイフさん凄い。

(鑑賞日: 4/15)


  1. アレですよ、アレ。

  2. アジャイさんとオベロイが色々拗らせていく図式はどことなく『Company』(Ram Gopal Varma, 2002) を連想させられる (何を隠そう、キャスト一覧を観たときは興奮した)。