言語: Telugu
監督・脚本: Krishna Vamsi
出演: Soundarya, Sai Kumar, Prakash Raj, Jagapati Babu
メモ
▼ 手段
Youtube(字幕なし)
▼ 動機
- 初めて本筋でファクショニズム1 を扱ったことで有名な作品らしい
- ジャガパティ・バーブさんが本作でナンディ賞2 助演俳優賞を受賞していること
概要
モーリシャス島で平和に暮らしていた娘、バーヌマティ(サウンダリヤ)は島を訪れた青年(サイ・クマール)と恋に落ちて間もなく結婚し、男児を設ける。
ある日、夫がテレビで実家がトラブルに巻き込まれていることを知り、共に帰省する事になる。しかし、夫の一族は地元の対立勢力と凄絶な抗争を繰り広げる荒くれ集団だった。
物語の後半では親子が夫の親族や、道中で居合わせたコソ泥(ジャガパティ・バーブ)の助けを借り、ハイデラバードへの脱出を試みる。
感想
夫の実家は典型的な大家族。他人との距離感が全く異なる一族の文化やしきたりに対する、ヒロインの戸惑いが克明に描かれている。
隔絶され、暴力で荒れる地域の閉塞感には戦慄した。
PRおじさんが演じる、ファクショニスト一家の頭領が非常に恐かった。身内に対しては情に厚すぎる程なのに、怒りに触れようものなら例え義理の娘だろうが幼い孫であろうが容赦しない…。 所謂DVシーンに相当する場面もあるので、女性が男性に血が出るまでぶたれたり引きずり回されているのを見たくない人は回避推奨。
しかしそこで黙ってはいない所が、子を守る母親の強さ…サウンダリヤの体を張った演技が印象に残る。母親を気遣う小さな坊やの健気さは涙を誘う。
彼女らの味方につく一族の女性達の優しさや逞しさも間違いなく見所の1つ。
テルグ映画には女主人公の作品が少なく、女優がヒーローの"添え物"として扱われているように見えてしまい、戸惑ったことがないと言ったらウソになる。
しかし、先輩ファンの「ヒロインは物語の触媒となる役割を担っている」といった考察に納得がいった。本作品に登場する女性達は皆、これを体現しているように思う。
目当てのジャグさん(当時36歳程)の総出演時間は決して長くない。通算で15分あるかないか程度だろう。しかも物語の大分後半になるまで登場しない。しかし、陽気でハンサムな、気風の良い小悪党の熱演が評価されてか、前述のとおり本作でナンディ賞・助演男優賞を受賞している。 主演のサウンダリヤさんも同じく主演女優賞を獲得しており、本作がその年の話題作だったことが伺える。
タミル語とヒンディー語にもリメイクされているようなので、機会があればそちらも観たい。
それにしても製作陣は 劇中歌で彼にヒョウ柄のタイトフィットなTシャツを着せて踊らせるなど一体何を考えて 良く分かってらっしゃる。