インド映画鑑賞記録

主に南インド映画を観てる、今まさしくブログの更新方法を必死で思い出そうとしている人のブログ

Chi La Sow (2018)

言語: テルグ語
監督・脚本: Rahul Ravindran
時間: 155分
出演: Sushanth, Ruhani Sharma, Vennela Kishore, Rohini

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メモ

▼ 手段
​配信(英字幕付き)
▼ 動機
​話題作であったため
(SIIMAノミネート作品)

概要

​失恋を乗り越えてから6年。
25歳を迎え、結婚適齢期に入った青年・アルジュン (スシャント) は自由を謳歌したいがために、親が持ってくる縁談を断り続けていた。
そんなアルジュンにはお構いなしに、両親はある取り計らいをする。
それは両家が揃ってお見合いに立ち会う通常のセッティングではなく、花嫁候補・アンジャリを自宅に招き、アルジュンと二人きりで話す機会を設けるというものだった。

全く乗り気でなかったアルジュンは、断るつもりでアンジャリに会う。
アルジュンが結婚に乗り気でない事を知ったアンジャリは落胆するも「縁談を断られる事にはなれている。気にしなくて良い」と語る。

暫く話を聞いているうちに、美しく聡明で自立した彼女に惹かれるものの、アルジュンは出会ったその日に結婚を決める事に躊躇いがあった。
悩んだ末に彼女に交際を申し込むが…。

感想

ヒロインのアンジャリが同年代の人間以上に自立している一方で、主人公のアルジュンは年齢相応の若者 (甘やかされ気味) という印象。

彼を演じたスシャントさんのちょっと頼りないけど優しいスマイルが、キャラクターによく合っていた。

ハッピーエンドであることは予想できたが、全く性格の違う初対面の二人が絆を結ぶに至るプロセスが、数時間のうちにで起こる様々なハプニングと共に描かれている。

書き出してみると、どうということもないストーリーだが、登場人物たちのダイアログに考えさせられるものがあったり、ちょいちょい引っ張り出されては憂き目に遭うキショールさん、我らのラフール君 (ラフール・ラーマクリシュナ) [^1] のコミックシーンが絶妙なタイミングで入り、メリハリのついた構成だった。

ロヒニさんが演じるアンジャリの母親が、病のために娘の苦になっているのではないかと悩む姿にはシンパシーを覚える。
結婚を家同士のものと捉え、本人に非が無くても相手の家庭が問題を抱えていれば本音と建前を使い分けて忌避する風潮は、日本にも根強く残っているように思う(問題を抱えていない家庭など無いと思うのだが)。

そんな中でアンジャリの自立したものの考え方や、彼女を受け止めようとするアルジュンの在り方には希望を感じさせられる。

自分の元同僚に、インドに一時帰国した際に突然結婚が決まってしまった人が居たのを思い出した。

「一回のお見合いでお互いに一目惚れで結婚し、その後も末永く暮らしました、めでたしめでたし」となれば苦労はないのだが、
本作の二人のように互いををよく知った上で、時間をかけて愛情を育てていきたいと思う人も多いのではないかと思う。

映画の中でお見合いシーンが描かれることは多いが、お見合い前後の数時間のみに焦点を当てた映画は初めて見たかもしれない。面白かった。

(鑑賞日: 8/21)

[^1]​: キショールさんもラフール君も主人公の良き友人役として馴染み深い。二人が良い働きをしている映画は良作であることが多いような気がしている。