言語: カンナダ語
監督: Ram Gopal Varma
脚本: Ram Gopal Varma, K. Balaji
時間: 151分
出演: Shiva Rajkumar, Sandeep Bharadwaj, Parul Yadav, Yagna Shetty
メモ
▼ 手段
DVD (英字幕付き)
▼ 動機
- フォロワー様のオススメ
- 近年のRGV監督作品の中でも支持を得ているから
- ヴィーラッパンの伝記作『Attahaasa』予習のため
概要
象の密猟、白檀の違法伐採、殺人、誘拐…多くの罪状で指名手配を受けていながら、密林を根城に何十年間も警察の目を掻い潜ってきた悪名高きアウトロー、ヴィーラッパンの追跡劇を描いた実録風作品。
警察は特殊部隊を編成し、一人の
男 (シヴァ・ラージクマール) を隊長に任命する。
彼は周囲にスパイや密告者を潜り込ませ、ヴィーラッパンを捕えるべく "コクーン作戦" を展開する。
⇒ Wikipedia: Operation Cocoon
感想
命懸けのトライ&エラーを繰り返しながら着実にターゲットを追い詰める部隊長の執念深さ、心理・情報・銃撃戦が凄まじい緊迫感で描かれている。
ヴィーラッパンを演じたサンディープ氏の非常に緻密な役作りも見所の一つに思う。 本人の写真と比べてみると、ヒゲや背格好、表情…驚くべき再現力である。
カメラの前ではポーズをキメ、褒められれば素直に喜び、自慢のヒゲの手入れを欠かさない所や、「彼は本当は良い人なのよ…」と馴れ初めを語る妻の様子などからも、ヴィーラッパンの存外に人間的な一面が伺える。しかし本質的には冷酷で、非常に用心深い。劇中でも残虐なエピソードには事欠かない。
最新式の銃を手にし、無邪気に目を輝かせる様子には背筋が寒くなった。
RGV監督の、この辺りの人物描写のバランス感覚は2002年作の『Company』に通じるものを感じる。
シヴァ兄さんが演じた隊長も一筋縄では行かないキャラクターだった。
彼の原動力は何だったか。
それまでに殉職してきた多くの同僚の仇討ち。警察官としての使命感。そして、映画スター・ラージクマール誘拐事件への怒りが殊更に強調されていたのも気になった (Tips: シヴァ兄さんはラージクマール氏の実子。この役を引き受けたの凄いな…)。
民間人に変装し、明るくおどける間も鋭さを失わない瞳が印象に残る。
これほどまでに茶を入れる時の表情がカッコイイ人物を見たことが無い。
(下図ビジュアル参照: 隊長が入れたチャイを冷や汗かきながら飲んでみたい気もする)
手段を選んでいられないような切迫した状況なのも十分に理解できるが、彼が淡々と放った 「悪魔を倒すには、自ら悪魔になるしかない事もある」 という言葉は重く響いた。
鑑賞者の好みは分かれるかもしれないが、間違いなくトップレベルの熱量で推せる (実験的な演出が控えめに抑えられているのも見やすさの一因か) 。
(鑑賞日: 5/17)
関連ツイート
マジか……うひょー pic.twitter.com/tlN5rqu8qr
— umasiam (さむ) (@tumeric_notes) 2019年5月16日